油性ニス

  • 本箱に“油性ニス けやき”を塗った。
    2回塗りをするように書いてあったので、塗ったら色が濃くなってしまった。
    二スの場合塗り重ねると色が濃くなるのか。

    “油性ニス”や“水性ニス”のように、塗膜機能と着色機能を兼ね備えたニスは、塗り重ねる毎に塗膜の厚みが増すと同時に、色も重なっていくので濃さを増していきます。
    好みの色の濃さになり、さらに光沢を出すときは、同じ商品の“透明クリヤー”を上塗りして仕上げるとよいでしょう。
    また、色物と透明を混ぜ合わせて淡い色を作り、塗り重ねていく方法もあります。この場合、塗料は2種類必要になります。

  • 木彫製品(けやき材、33×33cm)に家紋を彫り、仕上げに“油性ニススプレー”で塗った。
    何日経過しても乾かず、ねちねちして表面を布で拭くと色がつく。以前にも何回か使用したがこんなことはなかった。

    仕上げ塗料は、下塗り塗料との関連で、乾きが遅くなったりするがあります。
    また、木の素材の種類によっても、ヤニなどの影響で乾かない場合もあります。
    塗膜の厚さに比例して乾燥の速さも変わるので、一度に厚く塗ることは避けてください。

  • 木彫作品にアンバー塗装後、乾燥させ、仕上げとして“油性ニス つや消しクリヤー”をうすめ液でうすめて、塗ったところ、乾燥後彫り込んだ部分に白い粉が残っている。
    白い粉を取り除きニス仕上げとして完成させたいが、どうしたらよいか。

    ニスの“つや消しクリヤー”には、白い微粉末のつや消し剤が入っており、これが光を乱反射させて、つやが消えている見せています。

    木材は、表面に大小の導管が無数にあり、塗装をする際、塗料はこの導管部へ浸透して木材内部へと入り込んでゆきます。
    “つや消しクリヤー”の場合、樹脂が浸透するときに、樹脂よりも粒子の粗いつや消し剤が木材の表面にろ過された形で残り、乾くとカビが生えたように白くなって残ることがあります。
    この現象は、木質が柔らかい、吸い込みの多い木材ほど起こる可能性が高くなります。

    白い粉をサンドペーパー(#400より細かいもの)で取り除き、細部の取りきれない部分は、布に“ラッカーうすめ液”を浸し、丁寧に拭き取ります。
    その後、もう一度塗って仕上げてください。

    “つや消しクリヤー”を使用する場合は、あらかじめ下地に同じニスの“透明クリヤー”を塗り、最後の仕上げに“つや消しクリヤー”を使用すれば、素材の吸い込みが止まっているため白くなることはなく、きれいなつや消し仕上げになります。

  • 無垢の集成材で箱を作った。他社のオイルステインで着色し、白ラックニスで色おさえをし、“油性ニス 透明クリヤー」を塗った。
    2日後くらいに釘を打ったら、白くひび割れ、パラパラとめくれてきた。色は残っている。

    原因は、2つ考えられます。

    1. “白ラックニス”と“油性ニス”の層間密着があまりよくありません。一般に白ラックニスには、天然のロウ分が多く含まれていて、上塗りとの密着を阻害しています。脱ロウタイプのラックニスの方が、適しています。
    2. 全体の工程から考えて、仕上げ塗装後の釘打ちは、避けたほうがよいでしょう。“油性ニス”を塗る前に釘打ちをすることをおすすめします。
  • “油性ニス スプレー 透明クリヤー”を使用している。ペーパーをかけながら4~5回塗ってもつやが出ない。

    スプレータイプの場合は、塗装するときの被塗物とスプレーの距離が、ポイントになります。
    理想の距離は、20~25cmです。

    • 30cm以上・・・ドライミスト(ドライスプレー)
      塗料が乾いた霧状になって付着するため、塗装の表面がザラザラになり、きれいなつやのある仕上がりになりません
    • 15cm以下・・・オーバーウエット
      一点に塗料が集中して溜まってしまい、均一な塗膜にならずに、塗りムラになります

    今回のケースは、ドライスプレーの可能性があると考えられます。

    ドライスプレー
  • ラワン材に目止めをして“油性ニス”をスプレーガンで塗装した。
    1回目を塗った時に、白くポチポチとはじいたようになる。
    400番のサンドペーパーをかけてから2回目を塗ったが、1回目よりポチポチが増えた。どうしてか。

    はじいたように見えるのは、目はじきという現象です。

    ラワン材のような導管の深い材は、目止めが不充分な状態で上塗りをすると、導管の中に塗料が流れ込む時に、導管の淵で塗料が盛り上がり、上から見るとその部分がはじいたように見えます。
    この現象は一度に厚塗りをしたり、目はじきを起こしたままで塗り重ねていくと目はじきは、ますます大きく見えるようになります。

    塗った塗料を研磨で剥がした後、との粉を使って目止めしたあと塗装すると、目はじきを防ぐことができます。

    目はじき
  • “油性ニス”を塗り、平らに仕上げるために、その上から“油性ニススプレー”を塗ったところブツブツと泡が出た。
    どうしてか。

    厚塗りが原因と思われます。

    一度に厚塗りすると、塗膜の下側がなかなか乾かず、表面が上乾きするため、下から上がってくる空気が表面に出てきた時に、気泡をつくります。
    厚塗りをせずに、乾いては塗りを繰り返しおこなえば、避けることができます。

  • 輪切りにした木に“油性ニス”を塗ってお盆を作っている。
    よく乾かしながら、サンドペーパーをかけて塗ったが、塗装面がザラつき、ほこりっぽい感じになってしまったが、どうしてか。

    乾燥中にほこりがついた可能性が考えられます。

    ダンボール箱(作品が入る程度の大きさ)を利用し、ダンボールを横にして開口部を作り、作品を中に入れて乾燥させれば、上から落ちるほこりが防げます。
    この際、開口部を閉めて乾燥させると塗料が乾きにくくなるため、開口部は閉めないようにしてください。

  • “油性ニススプレー”を使用していて、8割程度残っているのに出てこない。
    逆さ吹きをしてノズルも拭いて保存したのに。どうしてか。

    逆さ吹きをしても詰まって出てこないケースでは、逆さ吹きが充分に行われていなかった可能性が考えられます。

    逆さ吹きをした時に、霧が密度の濃い霧から、薄い透明度のある霧に変わり(この間約3秒)、塗料が出きったかどうかの見極めがポイントです。
    またノズルの掃除については、ノズル穴の内側に付着している塗料が固まり、穴を塞いでしまっていることが多いので、これも逆さ吹きの仕方で防ぐことが可能です。

  • 未使用の“油性ニススプレー つや消しクリヤー”のノズルを押しても出てこない。

    “つや消しクリヤー”にはつや消し剤という微粉末が入っていて、その比重が樹脂よりも重いため、静止した状態で置かれていると容器の下の方に沈殿しています。
    このため、撹拌が不充分な状態で使用すると、底に溜まったつや消し剤により詰まりが生じて、塗料が出なくなってしまいます。

    使用する前に、容器をしっかり上下に振って撹拌してください。
    中に入っている撹拌用の玉の音がカラカラと鳴るようになってから、さらに30回ほど振り、塗料を均一に混ぜておくことがポイントです。

    攪拌用ビー玉
  • 車の中に置いた“油性ニススプレー”が、破裂して車のガラス及び内部が損傷した。
    2本の内1本を使用し、車のシートに置き露天に駐車していたが、夕方ドアを開けたら、すでに破裂していた。

    スプレーの爆発事故は、塗料のスプレーに限らず、真夏の車内、冬場の暖房器具の近辺など、高温下において発生しています。

    スプレー商品には高圧ガスが使用されており、外部より内部の圧力が高くなっているため、極端な温度上昇によるガス圧の膨張で爆発が起き、多大な被害を被る事が多いです。
    保存の際は、冷暗所で保存することを心がけましょう。